初恋と立方体の呪い
なんせ小学校の時の事なのでどこまでが正確なのか
不安だが自身のことなので
お許しいただこう
何の授業なのか忘れているが、たぶん算数だったかな
突然紙が配られて「立方体」を書きなさいと言われた
たぶんそれまでの人生で立方体なんぞ書いたことが
なかったのだと思うが、頭の中では知っているが
立体を書くことが出来なかった
どう考えても書けないのだ
そしてついには涙目になっていたのだと思う、その時
それを見た隣の女の子が紙をとってささーと書いてくれた
そのしぐさがとても自然に、書いてくれた後も知らん顔を
しているのです、何とかっこいい、うれしかったのです
この一件でそれまで何とも思っていなかった隣の女子を
意識するようになったのです、たぶんそれは初恋では
なかったのかとその後思ったもんです
後日談が続きます
この立方体事件の流れか、全く違う流れか知りませんが
たぶん「体積」の勉強だったのかもしれません
どういう問題なのか忘れましたが、正解を出せなかった
のです
そしてなぜかこの問題が出来なかった自分を含めた数人が
放課後残されて方眼紙の一センチマスを切って一センチ
の立方体を作らせられたのです、小学生が一センチに切って
のりしろ作り、糊付けして一センチの立方体づくりは
とてもじゃないがうまく作れません
これは工作でも難易度が高い作業でした
他の子どもたちはどうだったのか全く覚えていないので
他人の事など見ている余裕がなかったんではと思います
先生不在でどのくらいの時間を格闘していたのか
たぶん半泣き状態だったのだと思い出されます
そんな自分たちの事など忘れていたかのように先生が
現れて、たぶんうまく作れない子どもたちを見ての事だと
思うが、格闘した一センチの立方体のあまりにも無様な
形に「これは無理だった」と気づいたのか
この作業と出来には全くふれずに、放免されたのです
その後このことは先生は触れることはありませんでした
こどもながらなに、あの作業は何だったのかと思いました
そして時々この二つの立方体事件は初恋の陰に隠れて
思い出されるのです、
初恋と呪い 何とも組合せが悪いのです