映画も楽しい

映画 「ひとくず」

2021-03-08

映画 「ひとくず」

人のくず との意味とのことです

予告をみたら子どもへの虐待シーンが多いようなので

迷いましたが、あらすじを見て 出かけました

開始とともに女の子が極悪環境の部屋で取り残され

ているシーンが出てきて気分が悪くなりましたが

空き巣登場で少しずつストーリーは親子と空き巣

の置かれた幼少時代が描かれて行きます

殺人を犯した空き巣犯ですが、女の子の母親に

取り憑く者たちから女の子を守ってくれる立場

の人となり、どんどんその人の感情に移入されていき

観客の見方も変わっていく気がしました

空き巣犯も幼少時代から壮絶な虐待を受けて

育ち、母親の男の残忍さから守ってもらえない

実母を憎んだまま成長してしまい、その道は

想像するに決して普通の子のようには育つ

ことは出来なかったと思われます

女の子の母親もまた同じように虐待を受けて

大人になり、男に依存して生きていくしかない

人生となり、我が子が虐待をされても守ることも

出来ない母となった

その母の言葉が一番堪える

「子どもにどうしてあげたら良いか分からない」

「子どもの愛しかたが分からない」

「子どなんて面倒くさいしかない」

と叫び、子どもの誕生日の祝い方も知らない

この手の映画を今まで見て

「自分のお腹を痛めて産んだ子をなぜ

虐待できるか」という疑問があったのですが

産んだからと言ってみんなが良き母親になれる

訳ではなく、親になるべく、共に生活して

日常を過ごし接してお互いに信頼関係を

築いて初めて「親子」になれるのだと気付いた

育児放棄はまさにこのことが出来ない

その喜びが分からない

その喜びは自分が母からの愛情として

受け継ぐものなのだと思う

強引だがこの母がどこかで親子で絵本を

楽しむ事を知ったら、ひよっとして親子の関係

を築くことが出来たのかもしれない

前半は胃が痛みそうだったが、空き巣犯

が女の子の味方になる頃から単なる虐待

映画ではなくなってきた

母子とこの空き巣犯の三人が擬似家族として

焼き肉屋で食事をするシーンでは男が思わず

涙する場面がある、自分も子どもの頃に

こういうところで家族と来たかったのだと思う

ラストシーンには泣かされる映画です

それにしても女の子の演技力が素晴らしい

彼女あっての作品ですね

監督・主演の上西雄大さんの話をぜひ聞いてください

 

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